「ニート短歌集「憂鬱草」」
作:ニート歌人
信長のようになれない
現代の魔王ニートが
自宅焼き討ち
家康と同じ形の手相持つ
ニートの俺は
今は人質
籠城をした末裔が
部屋の中
籠るばかばかしさは何事
エレベーター
個室に満ちた自意識は
ドアが開けば解放される
正確に巡る季節に
植物は忠実である
俺は寝たまま
デザートを食べて暴れる
人は無し
酒の飲めない者に幸あれ
友の自殺
「起業する」
未来を語りつつ歩く
自殺一月前の友人
笑顔無き学校を出て
永遠に
友は真顔で額縁の中
憂鬱と言う名の定期便が来て
今日も
呼び鈴鳴らし続ける
ぼうけんのしょをはじめますか?
『→はい →いいえ』
悩んでるうち 人生終了(ゲームオーバー)
銭湯で
とろとろ眠るそのままに
水に還ってしまえたらよい
死ぬるまで
三月兎飛び跳ねる
狂ってるのは見ているあなた
懲罰のように
毎日パソコンに張りついていて
見えない恩赦
秋までは遠い道のり
実りても
まなうらにある冬の寒空
もう年が暮れて行くのか
銀杏の匂い道満ち
曇天無風
飛び出して死んでしまいたい心地する
信号待ちの
脱落者、俺
1分を惜しんで失う10時間
リカバリできない
人生である
生き急ぐ
俺は強制終了をすぐしたくなる
短気とも言う
携帯を弄っていれば向こうから
人斬りが来る
そんな気配が
背後から視線を感じ振り向けば
横に
転がる地蔵の首が
雨上がる夜の黙(しじま)に木霊(こだま)する
自殺現場の踏み切りの
声
