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絶望男の逆襲 第27回「創造性」

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第27回 創造性
 
暇だ。「絶望男」発売10日前にして異様なほどにすることがない。15日にテレビの制作会社の人に会った。ドキュメンタリーの話だった。いい感じだった。今度こそと思った。今までに何人かのテレビ関係者と会ったが、「話」だけで終わっていた。今回は間違いない。そう確信していた。
 
以降、何の連絡もない。企画がダメになったのか。俺のような無名の新人の場合、テレビ、雑誌、新聞等への露出が発行部数の決め手になるらしい。現時点で「暇」はまずい兆しだ。
 
まずい兆しが重なった。弟の病気が直腸癌だとわかった。21日に入院。30日(本の発売日だ)に手術となる。術後も2~3週間入院する。命に別状はないらしい。が、人工肛門を付ける。死ぬまで。つまり弟も障害者になる。
 
不測の事態のなか、俺は暇である事実にひどく落胆した。今月の生活費は弟が工面してくれた。が、先への不安が残る。俺にできることは何か?忍耐か?
 
次回作の構想を練った。日々、考える。歩くとエネルギーが回り、脳が活性化する。買い物の往復100分歩いている。アイデアが浮かんでは消え、また浮かぶ。自らの脳内で次に何を書くか。書きたいか。反復する日々が続いている。
 
これだ。何かを想像し、何かを創る。結果などより遥かに重要な過程に気づいた。
 
人間には誰にも奪えないものがある。想像。そして創造性。生命力の源だ。人は誰もが何かを考え、創る。金持ちも貧乏人もない。誰もが等しく創造力を持っている。だからこそ、この社会は成り立っている。どんな人間にも価値があり、生きる意味がある。俺は46年生きた。その過程で学んだ。生きることそのものが創造性なのだ。
 
自己評価の低い人間だった。自分に価値を置けなかった。「かつては」だ。今の俺は自分を誇りに思っている。本を出すからではない。自分のなかの創造性、何かを創りたいという切望がある。落胆から這い上がる力がある。カネ中心社会に「否」と言えるだけの経験がある。自分の経験は自分だけのオリジナルなのだ。そのことに気づいている。
 
次回作の構想は今はない。生活していくなかで生まれるかもしれない。俺は自分の直感を頼りにする。成り行き任せだ。
 
弟は明日入院する。今さっき、母と生活費のことで揉めた。「足りない」と母。「カネねぇよ」と弟。この国はいつまで貧乏人からカネを搾取し続けるのか。俺はうちが貧乏だと認識した。今まで人間らしい生活はできていると思っていたが、勘違いだった。弟の入院が問題を露呈させた。
 
俺は今後のヴィジョンを定めた。社会的弱者を搾取し、壊滅させようとする「管理社会」に毒を吐き続けること。そのためには本が売れなくてはならない。
 
創造し続けよう。
 
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2007.7.30 第4回「やせ我慢」
2007.8.8 第5回「絶望の根っこ」
2007.8.27 第6回「人間のクズ」
2007.8.27 第7回「登校拒否」
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2007.9.3 第9回「無常」
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2007.9.25 第11回「欝屈」
2007.9.25 第12回「願わくば」
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2008年01月21日 11:49に投稿されたエントリーのページです。

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