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絶望男の逆襲 第25回「抑鬱」

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第25回 抑鬱
 
望みもしないメールが日に100件以上も送られる。昨年の11月頃、オールニートニッポン宛ての正体不明のメールが来た。以来、毎日送られてきている。俺には無関係のものだ。ひどく不快である。来るたびに全件を削除している。いつの間にか削除することが習慣になった。だが、いくら削除しても次々に正体不明のメールが来る。頭を抱えた。
 
07年12月25日火曜日。いつも通り、ダイエーに買い物に行った。靴下と靴を買った。が、食品はレジを通らなかった。クレジットカードを無効にされたのだ。俺は手持ちの現金5300円を支払った。年末年始の金がなくなった。正月どころか食っていけるかさえわからなくなった。その4日後、俺は風邪をひいた。頭を抑えられるような圧迫感、止まらない鼻水。弟に俺の金で夕飯のおかずを買った。翌日には治った。風邪ではなかった。クレジットカード無効への衝撃と先への不安、働く弟に対する負い目などが抑鬱状態をひき起こしていた。
 
大晦日。健康保険料の支払い期限の日。弟はその2日前に給料を貰った。俺は早速、支払いに出かけた。健康保険は支払ったが、クレジットの方は大晦日で振り込みはできなかった。預け入れだけだ。振り込み確認まで6日間、クレジットカードが使えない。弟は家に月に20万円入れている。それ以上はない。家賃を2ヶ月間、滞納せざる得なくなった。3ヶ月を超えると家を追い出される。だが、食っていく方が先決だ。
 
その前夜、オールニートニッポンのイベントが新宿ロフトプラスワンであった。俺は「新人作家」として舞台に上がった。夢だった。だが、気持ちは落ちていた。あの場にいた誰にも自分の落ち込みを語らなかった(語れなかった)。
 
08年元旦。雑煮だけは食えた。他は何もない。こんな元旦は生まれて初めてだ。改めてクレジット会社の非情さに怒りが沸き上がった。せめて正月ぐらいはと思った。俺の甘さか。世間が冷淡なのか。
 
2日水曜日。お袋とこれから5日間、どう食っていくのか話し合った。「どうにもならない」。それが結論だった。だが、弟が何も言わず、1万円の食費を出した。助かった。お袋は弟に感謝を伝えた。俺はその足で食い物を買いに出かけた。
 
主食はカップ麺とご飯。米は残りわずか。贅沢はできない。節約した。
 
俺は暇になった。フレンズ日記という携帯サイトがある。その日記に07年映画ベストテンを書き綴った。熱中した。
 
5日土曜日。何もすることがなくなった。何かする気力も起こらない。家族は毎日家に居る。頭痛がした。どこかに出かける気も、金もない。窓から陽光が差し込む。まぶしい。まるで俺の心の闇を照らすかのようだ。寝るしかない。
 
7日に弟は仕事だ。クレジットカードも使えるようになる。世間も普段通りに動き始める。そうなったとして俺の抱える不安は解消されまい。生きていたくない。死にたくもない。俺の頭は少しずつ狂ってきている。孤独の成せる業だ。
 
こうして書いている今もオールニートニッポン宛ての正体不明メールが次々に送られている。頭痛が増した。
 
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いままでの「絶望男の逆襲」

2007.7.12 第1回「笑顔のない男」
2007.7.18 第2回「孤立感」
2007.7.23 第3回「天涯孤独になるまで」
2007.7.30 第4回「やせ我慢」
2007.8.8 第5回「絶望の根っこ」
2007.8.27 第6回「人間のクズ」
2007.8.27 第7回「登校拒否」
2007.9.3 第8回「昼夜逆転」
2007.9.3 第9回「無常」
2007.9.10 第10回「人から逃げよう」
2007.9.25 第11回「欝屈」
2007.9.25 第12回「願わくば」
2007.10.9 第13回「家族と孤独」
2007.10.22 第14回「歪み」
2007.10.22 第15回「否定できないもの」
2007.11.26 第16回「精神障害」
2007.11.26 第17回「だるま」
2007.11.26 第18回「母の贖罪」
2007.11.26 第19回「因縁」
2007.11.26 第20回「悪意」
2007.11.26 第21回「小さな世界の小さな存在」
2007.12.18 第22回「孤独な年末年始」
2007.12.29 第23回「恩人」
2008.01.08 第24回「友人Y」
 

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2008年01月14日 13:08に投稿されたエントリーのページです。

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