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第22回 孤独な年末年始
今月の5日で46歳になる。特別な感慨はない。俺にとって誕生日は過ぎゆく一日でしかない。12月にはクリスマスもある。同様にただの24日だ。それ以外のなにものでもない。誕生日やクリスマスを特別視する向きは何だかんだと理屈をつけ、バカ騒ぎをする。胃のもたれそうな糖分一杯のケーキを買い、脂の塊のようなチキンを食う。酒を飲む。バカ騒ぎに勢いをつけるのだろう。ツリーに電球を飾る。電気代の無駄でしかないのに。クリスマス。誰かと過ごす。恋人。友だち。仲間。家族。楽しいふり。その陰でバカ騒ぎもできず、誰かと過ごすこともなく、孤独を味わう人々が存在する。俺もそのひとりだ。
年末年始。帰郷する人々がいる。ハワイだのグァムだのへ行ける人々がいる。一方で生きるだけで一杯一杯の人たちがいる。帰りたくても帰る場所のない人々。俺には故郷も実家もない。海外旅行どころか飛行機に乗ったこともない。正月はただひたすら退屈だ。
一年で最も淋しい時期がやってくる。
アメリカではクリスマスイブの夜に自殺率が上昇するらしい。周りが幸せそうに見える。不幸な自分を惨めに感じる。わかる気がする。俺もそんな感覚を味わってきた。
時間は残酷だ。45年。過ぎてしまえばアッという間だ。とうとう恋人を得られないまま、46年目の人生に入る。
今日は雨のなか、月々の支払いを済ませた。家賃は払えなかった。9月分から滞っている。その他の足りない分は14日に支払う。お袋の障害年金からだ。そこからは介護保険料が1万円引かれる。お袋は介護など受けていないのに。障害年金の大半は支払いでパーになる。国は一体どこまで金をぶん取る気か。貧乏とまでいかないが生きるだけで精一杯の俺と家族。年末年始ぐらい楽させてほしいものだ。
誕生日、クリスマス、年末年始。気が滅入る。この孤独、いつまで続く?
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いままでの「絶望男の逆襲」
2007.7.12 第1回「笑顔のない男」
2007.7.18 第2回「孤立感」
2007.7.23 第3回「天涯孤独になるまで」
2007.7.30 第4回「やせ我慢」
2007.8.8 第5回「絶望の根っこ」
2007.8.27 第6回「人間のクズ」
2007.8.27 第7回「登校拒否」
2007.9.3 第8回「昼夜逆転」
2007.9.3 第9回「無常」
2007.9.10 第10回「人から逃げよう」
2007.9.25 第11回「欝屈」
2007.9.25 第12回「願わくば」
2007.10.9 第13回「家族と孤独」
2007.10.22 第14回「歪み」
2007.10.22 第15回「否定できないもの」
2007.11.26 第16回「精神障害」
2007.11.26 第17回「だるま」
2007.11.26 第18回「母の贖罪」
2007.11.26 第19回「因縁」
2007.11.26 第20回「悪意」
2007.11.26 第21回「小さな世界の小さな存在」
