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ゲームあふるる国に生まれて 第11回「「クソゲー」って言うな」

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第11回 「クソゲー」って言うな
 
 ニコニコ動画で「チーターマン2」の動画が大人気になっている。チーターマン2とは、米ActiveEnterprises社が92年に開発したNES(ファミコン)ソフト。しかし発売に至らず会社が倒産。97年にネットを通して倉庫の在庫が発売されたという、笑ってしまうほどに、いわくあり過ぎな代物。
 
 ゲーム性はあまりに陳腐で、ある地点まで進むと唐突に1面クリアとなったり、効果音が発生するたびにメインBGMが音飛びしたり、キャラによって空中浮遊が可能だったり。揚げ句の果てには、バグのために4面クリアでゲームが終わってしまい、クリアが不可能という、ゲームの体すら満たしていない。
 
 さて、これを見た人はこのゲームを「クソゲー」と呼ぶのだが、私としてはこのゲームをクソゲート呼ぶ事は、多くのクソゲーに対して失礼なことだと思う。
 クソゲーとして一般的な有名なタイトルをざっとあげると、「たけしの挑戦状(FC)」「デスクリムゾン(サターン)」「スペランカー(FC)」あたりが挙げられるかと思う。
 
 たけしの挑戦状は、謎が極めて理不尽で、ほとんどノーヒントといってよく、攻略本を見なければクリアはほぼ不可能なゲームである。
 
 しかし、チーターマン2のようにバグで物理的にクリアできないということはないし、理不尽な謎というのは、1984年にアーケードゲームとして発売され、名作の呼び声高い「ドルアーガの塔」の影響を強く引き継いでいる。この当時はゲームにやたらと謎を加えるのがブームであったともいえ、決してたけしの挑戦状だけが突出して理不尽だったわけではない。
 
 それでもこのゲームが広くクソゲーと認知されるのは、「ビートたけし」というネームバリューのおかげで、ゲーム自体がよく売れ、その理不尽さにあてられた人数が多いからである。
 
 デスクリムゾンは、3Dポリゴンシューティングであるが、1996年というポリゴン技術がこなれてきた時代にもかかわらず、カクカクとした非常に雑なポリゴン描写で汚い画面が特徴。また、サッパリ意味のわからないオープニングデモや、敵が突然画面にあらわれたり、被ダメージ後の無敵時間がなく、ライフがいくらあってもあっという間にやられてしまう場合があるなど、ゲームとしての完成度は非常に低い。しかし、それでもクリアできないということはない。
 
 スペランカーは、地底遺跡を冒険するアドベンチャーゲームであるが、落下の判定が厳しく、下りの坂道でジャンプすると死ぬなどといった、理不尽な死に方が話題となり、クソゲーという汚名を冠してはいる。
 
 しかし、個人的にはその仕様のおかげで、常に緊張感をもった操作を要求され、コウモリの糞を避けたり、蔦の間を飛んで渡ったりなどという、数少ないアクション要素でも飽きないように工夫された名作だと考えている。
 
 実際このゲームが広く「クソゲー」と呼ばれるようになったのは、2000年前後にインターネット上で起った「テキストサイトブーム」の流れである。
 
 こうした中で、昔のゲームをプレイして、おもしろおかしく記事を書くようなサイトが人気となったが、こうしたサイトでは、ゲーム機の進化によって豊富なアクション要素を詰め込めるようになったソフトをプレイできる環境からみて、昔のソフトを「クソゲー」と呼んでいる場合が多いように感じる。
 
 私は、こうした評価は、テレビゲーム史の流れを無視した不当な言いがかりであると考えている。ピタゴラスの定理を現代の中学生が知っているからといって、当時のピタゴラスが中学生レベルだったといえないのと一緒である。
 
 以上のように、一括りにクソゲーといっても、本当にダメな作品もあれば、考え方が違えば名作と呼べるような作品まで含まれている。そして何よりも、これらのゲームは、チーターマン2と違い、最低限ゲームの体を備えている。
 
 チーターマン2は、クソゲー未満である。私はこのゲームを「クソゲー」と呼んで欲しくない。 
 
感想はこちらへmail.gif
 
これまでの「ゲームあふるる国に生まれて」

2007.7.17 第1回「あの頃のゲームセンター」
2007.7.25 第2回「レイトン教授の体操」
2007.8.3 第3回「「オンライン対戦」によって脚光を浴びた、「あの」ジャンル(その1)」
2007.8.28 第4回「「オンライン対戦」によって脚光を浴びた、「あの」ジャンル(その2)」
2007.8.28 第5回「ハイ&ローの愉悦(その1)」
2007.9.3 第6回「ハイ&ローの愉悦(その2)」
2007.9.13 第7回「ドラゴンクエストと大人になること」
2007.10.9 第8回「ニコニコ動画でゲームを追体験」
2007.10.22 第9回「次世代ハードが心配だ」
2007.10.22 第10回「逆転裁判の心地よさ」

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2007年11月26日 20:51に投稿されたエントリーのページです。

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