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第7回 エム・クルーユニオン結成
グッドウィルが違法天引きした「データ装備費」を創業時にさかのぼって返還させるグッドウィルユニオン訴訟の第一回公判が開かれ、北九州市生活保護問題検証委員会が北九州市で起きた餓死事件に対する北九州市の対応を「極めて不適切」と非難した今日10月1日、東京で第4の日雇い派遣ユニオンが誕生した。
名前は、エム・クルーユニオン。株式会社エム・クルーで働いた人たちが作る労働組合だ。
エム・クルーと聞いても、ピンとこない人が多いかもしれないが、レストボックスと言えば、「聞いたことがある」と言う人もいるのではないだろうか。「元ホームレス社長」前橋靖(おさむ)氏が経営し、「フリーターに夢を」と謳っている会社だ。レストボックスとは、家のないフリーターが安く宿泊できる安ホテル。エム・クルーはレストボックスを運営しつつ、そこに泊まっている人にも泊まっていない人にも、日雇仕事を紹介している。
しかし、その仕組みは、エム・クルーの自己宣伝とは裏腹に、怪しいところが満載だ。まず、フルキャストが返還し、グッドウィルも2年分については返還すると約束している使途不明の違法天引き金額が、エム・クルーの場合500円にのぼる。フルキャストが250円、グッドウィルが200円だから、破格の高さだ。
そして、紹介される仕事先は、ほとんどが建設現場。建設現場への労働者派遣は法律で禁じられているから、エム・クルーはこれを「請負」と主張しているが、それならばエム・クルーが現場の担当部署を管理・運営しなければならない。しかし実際には、送り込まれた先の会社の指揮下に入っている。つまり、違法派遣をごまかすための偽装請負だ。
私もエム・クルーに登録して働きに行ったが、最初に送り込まれた現場は、私一人で、完全に派遣先の会社の指揮下に入って仕事をした。私立学校の宿舎改修現場だった。初めての人間がたった一人で、担当部署を管理・運営することなどありえない。間違いなく偽装請負だった。そして、ちゃんと?500円が天引きされている。
今日、数名の仲間とエム・クルーユニオンの結成大会を開いて、会社へ通告しに行き、給与を取りに来た人たちに組合ができたことを告げた。私とともに副代表に就任したTさんは、エム・クルーでの勤務回数が400回にのぼる。20万円を不当に搾り取られていた。
会社に出向いて、一番残念だったのは、エム・クルーおよび前橋社長がまったく誠実さのかけらもない対応を見せたこと。前橋社長は、私たちが社内に入ったときに会議室から出てきたにもかかわらず、そのまま奥に引っ込んで、あとは「社長は不在です」と部下の社員に対応させて、出てこない。常務監査役の佐野邦夫氏なる役員が、私たちを入口で出迎えたにもかかわらず、「社長がいないなら役員の人を出して欲しい」と言っても、それもまた「不在です」「連絡も取れません」の一点張り。しょっぱなからこそこそと逃げ隠れするようでは、先が思いやられる。
自分たちが正々堂々と主張できるようなことをしていないと自覚しているからなんだろうが、それにしても、マスメディアにあれだけ露出して「フリーターに夢を、希望を」と語っていた人が、労働者が権利を求めたとたんに逃げ出すようでは、あまりにも「カンバンに偽りあり」、情けなくて力が抜ける。
夕方には、エム・クルーに給料を取りに来た人たちに声をかける。「毎回500円を天引きされているのを知ってますか?」と声をかけると、ほとんどの人が驚いた顔をして足を止める。そもそもこの会社では、多くの人が500円の天引きを知らないのだ。なぜなら、こちらから求めない限り「支払明細書」を発行しないから、みんな自分のもらった金額がどういう計算でそうなっているか知らないのだ。悪質極まりない。
というわけで、エム・クルーユニオン結成初日は終了した。会社には10月10日夜7時の団体交渉を申し入れたが、「なにしろ社員23人の小さい会社ですから」とよくわからない答え。大きかろうが小さかろうが、団体交渉にはちゃんと応じなければならないという法律上の義務があるのを知っているのだろうか?
だいたい、一日1000人から500円ずつ盗ったとして、一日で50万。一ヶ月で1500万円、一年で1億8000万円だ。小さい会社にしては、儲けすぎなんじゃないだろうか??
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いままでの「貧困襲来!」
2007.7.17 第1回「このままでは本当に殺される」
2007.7.24 第2回「日雇い派遣は貧困ビジネス」
2007.7.30 第3回「ピエロの一票。一発食らわすつもりで」
2007.8.27 第4回「労働と福祉の連携」
2007.9.03 第5回「北九州市福祉事務所長を刑事告発」
2007.9.10 第6回「限界集落、地方の貧困」
