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第13回 家族と孤独
昨夜、強烈な夢を見た。大抵の夢は忘れる。現実生活が夢を記憶から消し去る。だが、イメージは残る。俺の見た夢もイメージの断片だ。父を除いた3人の家族が道路の真ん中で何か作業をしている。近くにバス停がある。ほろ酔い加減の親父がバスに乗った。3人は親父に気づかれないように作業を続けた。俺がドジッた。弟が怒った。「もう一緒に暮らしたくない。どこかへ行け!」と怒鳴った。行く所も金もないと俺は答えた。弟はこの日のために金をとっておいた。そう言い、俺に幾らかの金を手渡した。そこで目覚めた。夢は終了。
道路の真ん中でどんな作業をしていたのか。なぜ、道路の真ん中なのか。母は何をしていたのか。わからない。わかることは強烈なイメージ。感覚だ。弟に追い出される。家族から見捨てられる。独りぼっちになる。淋しさに身が震える。そんな感覚が残像のように後をひいた。
家族と離れて暮らした経験がない。45年間ずっとだ。K工業時代に一人部屋を与えられたが、同じ寮だった。常に誰かが側にいた。完全に独りになることがない。裏を返せば、家族以外の緊密な人間関係を知らない。ここ2年、母は身体が優れず毎日家にいる。当たり前になった。そのせいか少しでも家に誰もいなくなると不安に襲われる。情けない。まるでガキだ。
一人暮らしをするべきか。家族と会えない距離の場所で。そうできたら俺の人生にも大きな変化が起こるかもしれない。良くも悪くも。自分を変え、人生を前に進めたいなら、家族を見捨てよと心理学から学んだ。「見捨てられる」のではない。見捨てるのだ。真理だと思うが。
俺にはできない。第一に金がない。生活保護を受けながら一人暮らしをする方法もあるらしい。が、孤独に耐えられるだろうか。少なくとも今の俺には無理だ。孤独が怖い。
家族以外の人間関係を築きたい。できれば異性のパートナーと。言葉などなくてもいい。誰かが側にいる。それだけで安心できる。大切なのは寄り添えることだ。つかず離れず。
実力や実績がものをいう社会。金がすべての世の中。強者が弱者を管理し、権威が大手を振る現実社会。群れたがる人々。俺のような孤独を怖がる人間にはキツイ。だが、だからこそ体制に刃を向けたい。俺は本気で怒っている。そんな想いを世に発信したい。まだ作家としての芽は出ていない。未だ無名人だ。実力、実績、金、権威、すべてない。今はそれでいい。物事には段階がある。俺は家族をいつか見捨てる。孤独を受け入れる。夢のなかで弟が俺に言った意味が何となく理解できてきた。「兄貴よ、自分の人生を生きろ」
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いままでの「絶望男の逆襲」
2007.7.12 第1回「笑顔のない男」
2007.7.18 第2回「孤立感」
2007.7.23 第3回「天涯孤独になるまで」
2007.7.30 第4回「やせ我慢」
2007.8.8 第5回「絶望の根っこ」
2007.8.27 第6回「人間のクズ」
2007.8.27 第7回「登校拒否」
2007.9.3 第8回「昼夜逆転」
2007.9.3 第9回「無常」
2007.9.10 第10回「人から逃げよう」
2007.9.25 第11回「欝屈」
2007.9.25 第12回「願わくば」

コメント (1)
はじめまして、白井さん。
ぼくは精神病の48歳の無職の独身男性です。
ぼくは両親と妹との4人暮らしです。ずっと。
以前は入院していたり、結婚していた時期もありましたが、
基本的には常に親に養ってもらっています。
今はその親も退職していますが。
昨夜(10月26日)の放送で、白井さんもおっしゃっていましたが、
ぼくも家族と暮らすことを迷う時期もありながらも、それを良しとしています。
もっとも本当は、妻子を持って人並みに暮らすことが夢でもありますが・・・。
ちなみにぼくの唯一の収入は、障害基礎年金です。半分を親に渡しています。
そして、ある左翼の集団ともメールだけのつながりがあります。
基本的には、外出は2週に1度の通院時のみ。
いつもパソコンの前に座っています。
ひとからは「とにかく外に出ろ」と言われますが、
それが嫌なこともあり、あるいはぼくの人格障害のため、友人はひとりも居ません。
そんな男がここにもひとり居ます。
もし良かったら、ぼくのブログもお読みくだされば幸いです。
ありがとうございました。
投稿者: ご隠居 | 2007年10月27日 09:32