第1回 年功制でも不安定でもなく 今野晴貴
※この連載はPOSSEの今野晴貴さんと鈴木泉生さんが担当しています。
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この2年間を振り返ってみると、とても早かった。「格差」問題が世間をにぎわすようになってから、あっというまの月日だった。
最初は「フリーターは自己責任」、「若者がおかしくなった」などという話ばかりだったが、その後「格差」から「貧困」の問題へ。そして餓死者やネットカフェ難民の「登場」によって、今の政治を問題視する流れが一気にやってきた感がある。
私がこんなことを感慨深く思うのは、先日公示された参院選のマニュフェストを眺めていてだ。
自民党から共産党まで、どの党も「格差」や「雇用」の問題を取り上げている。その議論も、格差ブームの当初行われていたような議論とは明らかに質を変えているのだ。
自民党は相変わらず「一人ひとりの働き方に応じた公正な処遇を実現する」なんていう曖昧なことをいっているだけだが、民主党は「パート、契約社員を正社員と均等待遇にします」とかなり踏み込んだことをいっている。
民主党でさえ「均等待遇」を口にした意義は大きい。
日本で貧困が生じている原因は、まさにこの「均等待遇」が確立していないからなのだ。
日本には昔から「貧困」な人たちがいた。非正規雇用で自らの生活を養う人たちだ。典型的には「シングル・マザー」である。こうした人たちは社会の「例外」とされ、特別な福祉の対象となるかどうかが問題となってきたのだ。
ところがこんにち、非正規雇用で生計を立てる人たちが爆発的に増加している。そこではじめて「貧困」が問題になり始めている。
「貧困」はもともと日本では「古くからある」問題の拡大なのだ。この日本の構造的貧困を解消するには、非正規労働者への差別をまずはなくさなければならない。今、やっとそこまで議論が進みつつあるのだ。もちろん今回の各党のマニュフェストにはまだまだ問題点が山ほどある。それについては、折に触れて指摘していくつもりだ。
だが、この2年間で、日本で何十年も放置され続けた問題がついに社会問題のメインテーマになった。このことを感慨深く思わずにはいわれない。
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